「一生懸命だと知恵が出る。
中途半端だと愚痴が出る。
いい加減だと言い訳が出る。」(武田信玄)
確かに武田信玄は人心掌握型の名将であったようだが、金八先生のほうの武田ぽいというような、作られた言葉感に違和感があった。しかし発言の経緯に学ぶこともあろうと、信玄の歴史解説本を数冊読んでみた。… のだけど出てこない
注意してググりなおすと、同様の疑問について書いたブログが見つかる。
「一生懸命」という言葉。この言葉は、もともとは、「一所懸命」から出ています。… 「一生懸命」という言葉、表現が一般的になったのは、江戸時代からとされています。… どうも後世、江戸時代に創作されたものの可能性が高そうですね。
引用: 人生やり残しリスト:So-netブログ(2013年)
では、創作だとしたら誰/いつなのか。とGoogleの日付指定検索でがんばって探したところ、拡散されたのは2010年ごろから。おそらくソースはtwitterの名言botであり、それが「まとめ」られたりしてさらに拡散しているようだ。2010年以前だと武田信玄の言葉としての言及は無くなる。
そのまま2002年までさかのぼったところで、どうやら答えを見つけた。

名言の花束というページ
ここでは「出所不明」となっている! そして一つ上の名言が武田信玄!
おそらくここから名言botの中の人がコピペする時、二つの行を両方とも武田信玄のものとしてデータベース化してしまったのではないだろうか。
この名言集ページは福永硝子という福岡の会社サイトのおまけコーナーであり、1997年くらいから2012年ごろまで更新されていたらしい。朝礼とかで名言を紹介するのあったりするが、そういうもののログなのではないかな。
その後、より本当の元ネタは正範語録という3連詩(?)らしいことがわかった。つまり元には前後の文がある。これについては作者不明とのことだが、この誰かの「いい話」が校長先生ぽい人などによく引用されて伝わっている模様。

名言好きな福永硝子の人もこれを知っており、出所不明として紹介したのだろう。図らずもたまたま武田信玄の名言の次の行であった。
武田信玄は言っていないが、良い言葉であることは確か。
2015年現在、すでに「武田信玄はこんないいこと言っています。…」と紹介されまくっていて、武田信玄の言ったことになりつつあるというのが面白い