2023年読書感想文

トミール Naoki Tomita December 27th, 2023 読書

今年は仕事の切れ目で3月まで休みだったので相当読めました。記録によると何と316冊。すご!

それでもぜんぜん減らない積読。その解消と息抜きを兼ね、秋に鬼怒川温泉で一人合宿したのですがフロントで「クマ出るから気をつけてくださいね😉」って言われてビビった(生還した)

3冊ピックアップ。は読んだ人向け。

鵼の碑

鵼の碑 (講談社ノベルス) 今年の思い出といえば、この本。長さゆえ詰んでた 塗仏の宴 から予習を進めたのですが、まず塗仏がおもしろすぎた! ラストで (これ志水アキさんのキャラデザも見たいなあ) そんな温まった状態で読んだし、新刊で読めるわけだし、相変わらずよくわかんない分厚さだし、珍しく目次がちゃんとあるし(たぶん初めて)、で非常にわくわくする読書体験でした。

百鬼夜行シリーズは昔友人に紹介されたのが初めての出会い。奴はとにかく妖怪が好きで、妖怪会議のようなイベントによく誘ってくれました。そういうイベントに登場する京極夏彦は作家というより、水木しげるを持ち上げつついじるおもしろい司会の人。『姑獲鳥の夏』も最初は「ページの切れ目に謎のこだわりがある妖怪の本」として知った。これがミステリで、しかも金字塔であることを認識するのは少し先のこととなります。懐かしい

しかも

今回サインに書かれる感じはどうやらヌエを構成する要素のいずれかがランダム。そこで「鵼」を引きました。これは奴に自慢ができる

ニードレス通りの果ての家

ニードレス通りの果ての家 各種ランキングでは振るわなかったけどオススメの本がこちら。でも何も言えない! 察して、あまり察しすぎずに読んで欲しい。どう考えても「信頼できない語り手」だよなあと思いながら渋々読み進めることになります。2章なんか、この語り手もしかして猫か?と思ったらやっぱり猫なの。

でも最後まで読むと印象が変わってミステリーが感動作になる、そんな作品。著者による後書きがついており、ミステリ界でと思わせられました。

血染めのエッグ・コージイ事件

血染めのエッグ・コージイ事件 (扶桑社ミステリー) 新刊以外から1冊。Dミスの詳しい人に教えてもらったこちらが大当たり。いわゆるカントリーハウスミステリなのですが、コメディか?というくらい、ぎゅうぎゅうにいろんな属性の客が集まります。武器コレクター、好奇心旺盛すぎるお嬢様、国際的に重要な指名を帯びた密使、極めつけに怪盗(笑)

で、ある晩、事件でいっきに情報が爆発します。ええそれはもう盛大に。

いわゆる不可能犯罪なのですが、そこでもタイトルの「血染めのエッグ・コージイ」しかり(エッグ・コージイこの本で知った)要素がてんこ盛りで楽しい。そもそも最初に館モノらしく見取り図があるんですけど、「秘密通路」ってバッチリ書いてあるんすよね(秘密じゃないんかいっていう)。

メイントリックたるや、一度読んだら忘れられなくなること間違いなし()。あと大戦前夜ヨーロッパの空気感が漂うスパイ物としての成分も終始雰囲気あって最高。だいぶ大変な事件が起きたあとのはずなのに、爽やか👍 と言える終わり方。好き。