BBC SHERLOCK はスゴイ

2009年にイギリス BBC が SHERLOCK というドラマを制作! 「もしシャーロックホームズが現代にいたら…」 という設定のもと、電報のかわりに SMS を、馬車の変わりにタクシーを使いインターネットも使いつつ、しかしおなじみの面子、ワトスンを相棒にレストレード警部などと絡みつつロンドンを駆け巡る。拠点はもちろんベイカーストリート 221B。

去年知って速攻で観たのだけど、第一印象「 こ れ は す ご い 」

要所にでてくる原作要素の”現代版アレンジ”の仕方が最高! まず、原作だと「ホームズ」「ワトスン」と呼び合うけど、これはファミリーネームで呼び合うのが当時の風習だったからで、現代欧米だと普通名前で呼び合うじゃないですか。なので「シャーロック」「ジョン」と呼び合う。ここが最初違和感あるけどハッとさせられるところで、タイトルの SHERLOCK はここからきてるのだなと。

他の映像化をみた人だと、ワトソンにヒゲがないのもアレって思うかもしれない。けど、ホームズもワトスンも(少なくとも出会ったころは)仕事を始めたばかりで金がなく、共同で部屋を借りないといけない若い駆け出しであってオジサンじゃないので、現代ならヒゲはないと思うんだよね。

そんな二人の最初の出会いのセリフはもちろんアレですアレ!(現代でもアレをまったく変えずに通じるってのが歴史の妙というか。。) とにかく、原作がわかっていればわかっているほど楽しめる細かいネタ満載! というか原作知らないと不思議に思うところが多いかも。実はワトスンは浪費家(ギャンブル好き)とか、ホームズより銃の腕がいいとかあまり知られていない気がする。

ワトスンは負傷して退役した軍医なのだけど、負傷の位置について原作ははっきり書いておらず(記述に矛盾がある)、わずかな記述から「脚だった」「肩だった」「両方」「じつは別」とシャーロキアンの中では諸説あるのだけど、それをどうドラマが表現しているか。これは唸らされた!

あと原作だと事件記録を雑誌に投稿し、これが人気となるという設定なのだけど、現代なのでワトスンはなんと Blog に UP します(笑) で、その Blog が実際に用意されて、放送後にちゃんと更新されるという演出が当時話題を呼びました。そのワトスンの Blog、ホームズがコメント欄で「これちょっと感情的になりすぎじゃない?」みたいにレスつけてて笑える。

まあなんというかギャグのような設定なんだけどすごいよくできてるのですよ。イギリスの人がいじるシャーロックホームズ物は細かいところわかっててさすがだ。シーズン1は各話長いけどたったの3話。でもその分詰まってて映像がオシャレ。演出のスタイリッシュさについては、ドクター Who がわかるひとはこれがその製作陣による作品だということを踏まえておくといいかも。

いまシーズン2の撮影中らしくいまからめっちゃ楽しみで仕方がない。シーズン1には出てこなかったあの人、それにあの事件のような展開がきっと含まれるにちがいないワクワクウフフです。

SHERLOCK / シャーロック [Blu-ray]


追記: シーズン2が終わった、シーズン2最終話すばらしい。これ、100年前のホームズファンと同じ気持ちを味わえているという静かな感動!!